「コーチ」という名前が敷居を高くしているのかもしれません。有名なコーチを招くなら権威となるのでしょうが、一般企業ではコーチを雇ってもやり方に注文をつけにくく、コーチングの進め方に馴染めないこともあるでしょう。

しかしながら、コーチングは企業に沢山のメリットをもたらします。現代の企業でこそ、活用してもらいたいメソッドです。組織の大小にかかわらず、このメソッドを取り入れる価値があります。
コーチングの実装は、ただコーチを雇うだけではありません。雇わずに企業内でコーチングを実践する方法は数限りなくあります。

たとえば、コーチング的なコミュニケーションという方法です。
具体的には、傾聴、質問する、承認する、といったスキルを身につけることです。これらは自己啓発系の書籍が多く出ていますのであえてここではご紹介するまでもないでしょう。

上司が部下と会話する場面で、なかなかわかりあえないといった状況を想像しましょう。
大概 会社の上司やマネージャは、自分が経験してきたことを手本に部下やメンバーと接します。相手によかれ、と思って自分が上司に教えられたことやその人にに足りない、と思うことを一生懸命話してくれようとします。相手に期待が大きいほど、話す量は増えてくるものです。一方的に話し、気づけば相手は固くなってしまっている・・・。
「なんでもっとぶつかってこないんだ」、「自分の意見がないんだ あいつは」、、と日々感じているならば、思考を変えた方がいいかもしれません。
話が一方的で相手に返す隙を与えないのは、自分がコントロールできなくなることを恐れている表れともいえます。
このスタンスを変えるだけでも、相手との関係が変わってくるに違いありません。

むかしは今ほど情報があふれていなかったし、何をするにも時間の猶予がありました。また、営業も開発も事務職の方も、やることがある程度決まっていたというのも背景にあるでしょう。私たちが歩んできた社会と現代を暗に比較してはいけない、と思っていた方がよいと思います。

「コーチングは興味はあるけど導入するにはまだ会社がそこまで成長していない・・」などと躊躇することはありません。「もどき」や「なんちゃって」でも構わないので手近なところから着手してみることをお勧めします。